猛虎の要 矢野燿大 背番号39の輝ける軌跡 [DVD]

秋は引退試合の季節だ。

いまから書く記事は、ブログ「野球の記録で話したい」に感化されていることは明白だが看過されたい。最近は完全にトリガーとして使っております。記事によると引退試合は真剣勝負の場においてやるべきではない、という。若手選手のアピールの場を奪う、公式戦でやるのは公私混同、と。

卓上 阪神タイガース 2016年 カレンダー 卓上

野球の記録で話したい : 引退セレモニーは“野球”なのか

たしかにそうだ。これに関連する記事で初めて知ったことも多い。
しかし、この件については「そういうものだ」との思いが強く、冒頭で書いたとおり秋になると「引退試合が近いな」とさえ言いがちだ。

引退試合と大々的に銘打たなくても、実質的な引退試合はよくある。出場試合に恵まれず引退を決めた選手の「思い出」出場だ。実際、選手たちはこの時期急に一軍へと上げられると勘付くらしい。嗚呼、引退が近いのだな、と。引退するかどうかは本人が決めることだから戦力外が正しいかな。あと某在京テレビ局の某「戦力外の選手たち」スタッフが話しかけてきたときにも勘付くらしい。さらに彼ら番組スタッフはもう面が割れているので、春先からもう殺伐とするらしい。在京球団はタイヘンだ。

話が逸れた。

真剣勝負の場で引退試合をするのは是か非か。

真剣勝負の場で引退試合をするのは是か非か。
いや、ワタシにとってはこの設問自体が非である。すこし違う。
チョット切り口を変えたい。
引退試合で真剣勝負するなら是、である。
そして、引退試合でも真剣勝負は立派になされていると思う。

清原和博の場合

清原和博の現役最後の試合は杉内俊哉との打席ではなかったかな。全打席通して元同僚が投げたのは全球ストレート。最後は空振り三振。藤川球児への「タマ◯◯ついとんのか」発言(懐かしい)も含めてストレート勝負への異常なこだわり(と政治力)が際立っている。さらにこの年、清原所属のオリックス・バファローズはCS争いが見えている状況で、確か清原の引退試合の前日にCS出場を決めたはず。そして清原は京セラで引退試合をやりきることができた。チームの勝負と球団の興行をギリギリのところで両立させた大石大二郎氏には頭が下がります。清原がエライのではなく大石がエライ。ことの良し悪しは置いといて。

矢野燿大の場合

あれは矢野燿大の引退試合。藤川球児が村田修一に逆転ホームランを許したアレだ。勝って矢野を送り出したかった選手とファンの思いを、たった一振りでアレしたのだ。村田は怖い選手だ(今年は行方不明になっていたようだが)。しかしその裏に阪神逆転のチャンスがあった。代打・矢野燿大!サヨナラ逆転ホームラン!これで物語が完結したハズなのだが。勝負の機微と人間の機微を合わせて昇華できるチャンスだったのだが。マアそこは真弓明信監督。当事者はいまだに清算できていないのではナンテ思ったり。

【オーナーズリーグ】[赤星 憲広] 阪神タイガーズ レジェンド 《OWNERS LEAGUE 2012 02》ol10-l-004
引退試合ができなかった/しなかった選手…

これらは真剣勝負だからこそ起こった「事件」だと思う。
真剣勝負の場だからこそ、「こういうこと」が起こる。真剣だから不測の事態が起こるのだ。ただ、真剣勝負にも色々な意味がある。

清原の場合は杉内との打席が真剣勝負だと言いたいのではなく、あれは、シーズン後半に湧いて出た清原引退という不測の事態に対する大石大二郎の真剣勝負だと思っている。藤川球児があの場面で村田に打たれたのは真剣勝負だからこそ。矢野燿大が結局出場できなかったのは、真弓が「真剣勝負のこの場面で矢野を…」のあとの2択でよもやの「出場させない」を選んだからだ。結果は置いといて。

引退試合は「真剣勝負」の物語の結末である

引退試合は、その日にポッと思いつきでなされる興行ではないし、引退する選手だけのものではない。シーズンを通して、いやそれぞれの野球人生、そして人間関係を通して少しずつ形作られた物語の結末だと思う。その意味では、自分の物語を普遍的なものにできた選手にこそ引退試合の権利があり、物語に途中からでも参加できなかった若手には端役さえ与えることはできない。

ここまで書いてみると、引退試合はやはり公私混同のような気がする。
しかしこうも言いたい。プロなら私情をグラウンドに持ち込んででもプレーしてみろよ、他人を私情に巻き込むプレーをしてみろよ、と。

参考文献

プロなら自分勝手にプレーせよ。自分勝手なプレーこそが勝利につながる。 : ちな虎

お知らせのあとは「ちな虎」からのおねがいがあります!

スポンサーリンク

皆さんの投票が日々の作文の励みです!1クリックおねがいします!

にほんブログ村 野球ブログ 阪神タイガースへ

そして!もし記事が面白かったら…共有してもらえれば嬉しいです!

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr

コメント

  1. 1 2015年09月26日 01:54 id:BM5rAf5U0
    広尾さんが仰っているのは、戦力になってない、もう辞めるだけの選手に公式戦の場で枠をやるなよ、ということですよね
    そしてそれをやろうとするのは球団であって選手個人ではない、というところでしょうか
    自分はこの論には賛成です

    そしてちな虎さんの論に乗るのであれば、
    公式戦で引退試合したければ、最後まで戦力でいろ
    といったところでしょうか
    それが自分の物語を普遍的なものにできた選手だ、ということですかね
  2. 2 ちな虎 2015年09月26日 03:28 id:cFmFj4yG0
    哲さん

    ひとつだけ。
    ある選手に対して、「あなたはもう辞めるだけの選手でしょう」とは決して言えません。実際に面と向かって言えないことはブログにも書けません(というか元々思ってないし)。たとえその選手が出場機会がなくとも、戦力ではない、なんてことはないはずなのです。そして、ここに彼らの「物語」のヒントがあると思う。

    その辺りの感覚がもとより違うということなのでしょうね。
    いや広尾さんの論に真正面から異議を唱えているわけではないんですよ、ワタシからすれば。否定でもなんでもない。こう考えることもできるよね、というか。乱暴にいえば「モノは言いよう」というか。人間のやっていることなので0か100かで図るのはもったいなと。

    広尾さんも書いてらっしゃいますが、ワタシも「その手には乗らねえよ」と思っているクチです。それは何に対してもそうです。「その手には乗らねえよ」と思っているので、自分で勝手に物語を見つけたいだけです。引退試合には「そういうものだ」と思う一方で、安易な感動モノには「乗らねえよ」であります。広尾さんのブログについても思っていますよ(悪口ではありません、念のため)。
  3. 3 猛虎太郎 2015年09月26日 08:19 id:e4QW6ad80
    広尾さんもちな虎さんも、いずれも“らしい”論旨だと感服致しました(笑)。

    そもそも引退試合云々が話題になるのはそれなりの実績を残した選手であり。
    その最後の勇姿をファンの前で披露するのはある種の義務であり権利でもあると。

    一方で自らの意思であるかは別に、引退を余儀なくされる以上は戦力価値としては低い存在になっている。
    その選手を公式戦の“建前上”真剣勝負の場に立たせることの是非。

    この両者を整合させることの難しさに問題の本質があると思います。

    引退試合と銘打ってはいませんが、先日の甲子園での藤浪vs小笠原。
    みえみえの全力ストレートを連発の若き本格派エース。
    フルスイングで応酬して、最後は打ち取られたものの何とかバットに当てて弾き返した古参の強者。
    僕としては公式戦での引退“興業”としては最も理想に近い形かと。

    個人的には、いかなるスーパースターでも引退試合を公式戦で行うのは、あくまで個人的には(しつこい)好みではないですね。(^_^;)
    公式戦が真剣勝負の場であるという建前がある以上、引退する選手に対して厳しい攻めが出来るのか?という意味でね。
    あえて投球術など度外視し、ただ一種類のベストボールを立て続けた上、引導を渡すような真似ができる選手はかぎられてますし。

    もちろん真剣勝負の建前が、全球全力投球を意味するものではないです。
    しかしその建前を拠り所にファンは心底プロ野球を楽しめるのではないでしょうか。

    野球だけでなく、建前を軽く見る人間を個人的には信用してませんので(笑)。
  4. 4 2015年09月27日 22:25 id:zT6zrz6W0
    なるほど、これはちな虎さんのスタンスがよく分かる素晴らしいコメントですね

    「たとえその選手が出場機会がなくとも、戦力ではない、なんてことはないはず」で気付かされたことがありました
    ちょっと本件の趣旨とはずれるので細かくは書きませんが、ありがとうございます
  5. 5 ちな虎 2015年09月27日 23:59 id:KSb.2VWv0
    哲さん

    >ちょっと本件の趣旨とはずれるので細かくは書きませんが
    なによ、書いてよ(笑)
  6. 6 2015年09月28日 10:10 id:4V.14y310
    あ、それではw

    簡単に書くと
    自分はすぐに「(育成のために)一軍で若手を起用せよ」と言いがちなんですが、
    試合単体で見た場合、「まだそれなりに仕事できるベテランを使わずに育成目的でまだ戦力になっていない若手を起用する」のは「もう引退するだけで戦力になっていない選手を公式戦で起用するな」という考え方と矛盾するのではないか、と気付きまして

    そこから「たとえその選手が出場機会がなくとも、戦力ではない、なんてことはないはず」という考え方に「なるほどなぁ」と感銘を受けたのです
    どんな選手だって試合に出る以上は結果を出す可能性はあるし起用している以上は結果を出すと期待して起用しているハズですよね(若手の場合お試し起用はあるかもしれませんが、全くアカンやろと思って起用されることは無いハズ)
    そして我々ファンもそう信じて応援すべきであると思いました
  7. 7 ちな虎 2015年09月29日 01:32 id:tSMNNYWW0
    哲さん

    そして、野球も人がやることなので、プレーのみが評価されるのではないと思いますよ。グラウンド内外の所作や人柄も加味されうる世界だと思います。そこまでいくのはもちろんプレーありきだとは思いますが。
  8. 8 ちな虎 2015年09月30日 13:50 id:i3ZbDvz10
    猛虎太郎さん

    >先日の甲子園での藤浪vs小笠原。みえみえの全力ストレートを連発の若き本格派エース。フルスイングで応酬して、最後は打ち取られたものの何とかバットに当てて弾き返した古参の強者。

    この数日後に引退会見したのがまた味わい深いですね。

コメントする

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット