藤浪晋太郎は負けないなあ。
登板した試合はチームが負けない。これは「もってる」という表現をされるヤツなんだろう。そろそろ新しい言い方を考えたいところではある。以前、藤浪のことを「底が丸見えの底なし沼」と書いた。選手としての底を見せるが実は底がない、一見矛盾した表現こそが似合う「大器」という意味だ。しかし最近の投球を見ると、藤浪に「底がない」のはその実「底が抜けている」んじゃないかと思うようになってきた。9月3日(木)広島戦の4回表、四球四球三振四球三振三振。わけがわからんのである。「底抜け投法(仮)」とでもつけておこうと思う。
とはいえ心配ごともあるにはある。
優勝への心配ごとというよりは藤浪自身の野球人生について、だ。

「底抜け」藤浪晋太郎を僭越ながら心配する。
一塁への送球がままならないのが気になる。聞いたことがあるのが、「ピュッと」投げることができないピッチャーがいるという。むかし書いた気がするけど気にせず記していくが、ピッチャーにとって「投げる」とは、半身になって、利き腕を後ろにして、肩を回して、ヒジを上げて下ろす。この動作はいわゆる「ピュッと」ではない。これは「ビュッと」だ(説明になっていない気もする)。「ピュッと」というのはスナップスローとでも言うのか。半身にならず腕の動作だけで投げる、あの「ピュッと」ができないピッチャーは少なからずいるのだという。
いつぞやのオールスターで新庄剛志がホームスチールを決めた試合があった。あのときのバッテリーは福原忍と矢野輝弘(当時)だ。投球が終わり、矢野が福原に返球した瞬間、新庄がホームに向けて走りだした。いわく、福原は「ピュッと」投げることができないらしい。そのことを知る元チームメイトの新庄が「弱点」を突いたのだ。名場面としてテレビ番組でも時折チョイスされるあのプレーは、これが真相なのだという。
さて藤浪、彼もその気(ケ)がある。
評論家諸氏に言わせると「けん制も危ういものがある」というが、この試合も一塁への送球ですごいロブボールを放ったあと、再びのピッチャーゴロでは下投げを見せていた。もしかすると、藤浪は「ピュッと」投げられないのかも知れない。そしてその先にあるのは、である。うーむ、あまり言いたくないので書きもしないがこれはいわゆる「アレ」になっているのかもしれない。阪神でいうと藤原正典もそんなかんじだったんじゃないか。数年前、一軍の試合でそんな失敗をした以降は下投げになっていた。
プロに入るほどのフィジカル才能オバケがちょっとしたことでそうなってしまう、毎度ギリギリの勝負をしているのだという尊敬がある故、選手たちに向けてズバリあの単語を書くわけにはいかない。言葉で縛るわけにはいかない。「アレ」とか「そんなかんじ」とか「そうなる」とかぼやかした表現が多すぎましたがご容赦ください。各自補完していただけると幸いです。
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コメント
“ピュッ”と“ビュッ”の違いは、ボールを握ったことのある(真剣勝負の野球)者でなければ分かり難いでしょうな。僕も辛うじて感覚としては理解できてるつもりです。
19番の大先輩、小林繁氏もスローイングが苦手な投手であったと記憶しています。
例のトレードで阪神に来て獅子奮迅の大奮投を見せた年に、首位まであと一歩に迫った甲子園の大洋戦で二度に渡って投手ゴロの一塁送球を大悪投。今でもハッキリ覚えています。
小林繁さんもそうだったのですね。
背番号がもたらす歴史の偶然は必然なのであろうか。
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