
ゆえあって、阪神親会社の株主総会では過去どんなことが話題になっているのか、これを調べてみた。汝なにをしとるんだと言うなかれ。時期を外しているのは分かっているが、リハビリのつもりで書いてみようと、そういうわけです。
過去に報じられた新聞記事をさらってみると、2000年の記事には「これまで株主総会で球団に関する質問はほとんど出たことはない。出たとしても『今後に期待している』と(社長が)答えるのが通例」とある。かつての株主総会では阪神タイガースの成績よりも、阪神電鉄グループの業績こそが大事であったと見える。チームについて質問が相次ぐようになったのはおそらく2000年以降。株主総会の問題は、阪神のミレニアム問題といえると確信するに至る。

成績の話題が出るようになった「黎明期」
1999年(6月29日)野村克也監督1年目
平穏無事な総会に終始。わずか41分で閉会。2000年(6月29日)野村克也監督2年目
この時点で借金10の最下位。首位巨人とのゲーム差じつに8.5。総会では当時の手塚社長が野村克也監督の来季続投を明言したという。株主総会で監督問題に言及するのは異例中の異例であった。
噴出しそうな去就騒動に会社側が先手を打った形、とあるが、いま株主からやいのやいの文句がでるのはこの年が発端ではなかろうか。今から考えてみると「悪手」であった。
さあ、翌年から「堰を切り」ます。
2001年(6月28日)野村克也監督3年目
この時点で借金14。9人中4人の株主がチーム低迷について問いただす。社長はほうほうの体で答えた。「野村監督だけの責任ではありません。球団強化にどういう進め方が良いか検討中です」野村監督はこの年限り。
そして訪れた「平穏期」
星野仙一監督就任後はいたって平穏となる。そりゃそうか。2002年(6月27日)星野仙一監督1年目
球団に対する質問は少なかった、と記事にはある。2003年(6月27日)星野仙一監督2年目
この時点で首位快走。チームの話題はなし。2004年(6月29日)岡田彰布監督1年目
優勝の翌年は株主も余裕があったのだろう。成績どうこうよりも親会社としてタイガースをどう運営するのか、これが話題となった。
「電車の色をオレンジではなくタテジマに変えて欲しい」
「ファンがたくさん入ってくれるのに甘えていてはいけない」
「入場券が買いににくくなったので発売法を改善して欲しい」
「タイガースが勝てば潤うのだから、強いチーム作りを」
2005年(6月29日)岡田彰布監督2年目
この時点で首位快走。質問なし。「それどころじゃない期」
村上ファンド問題で球団自体の存続が危ぶまれる。2006年(6月29日)岡田彰布監督3年目
前年の下半期に村上ファンドによる株買い占めがあった。うむ、懐かしい。この株主総会で阪急阪神両社の統合が承認される。ある株主は「がんばれ阪神」と手書したポスターを掲げ激励したという。
2007年(6月27日)岡田彰布監督4年目
阪急阪神ホールディングス初の株主総会。株主からの「阪神電鉄は阪急に買収された。タイガースも将来買収されるのではないか」との質問を社長が否定。
ここからは1年ごとに評価が変わる「乱高下期」
株主総会開催時のチーム成績がそのまま株主の声に反映されるようになってくる。少々ヒステリックというか、ワタシがいまの阪神ファンに感じる「即物的な反応」が見てとれる。
2008年(6月25日)岡田彰布監督5年目
この時点で蓄えた貯金はなんと20以上。「甲子園のアルプス席の金網を外してほしい」「神戸で優勝パレードをしてほしい」など複数の質問をぶつけた株主が「まあ、でもチームが強いからこれ以上文句は言わない」と締めると会場が笑いにつつまれ和やかに。
勝てなかったけどね。
その恨みが翌年に噴出。
2009年(6月17日)真弓明信監督1年目
「タイガースは低迷している。新外国人が去年(フォード)もダメで今年(メンチ)はもっとダメ。新人を含めてどんなポイントでやっているのか。ハズレばかりということを、どう考えているのか」社長が謝罪するという事態に。謝罪。そりゃ、悪手だろう。
2010年(6月16日)真弓明信監督2年目
「今年はマートンが活躍している」と株主が評価。「スカウトのやり方が変わったのか」と褒められる。去年と同じ株主さんなのかな。3割が5人、100打点が3人いて優勝を逃す。
2011年(6月16日)真弓明信監督3年目
平田勝男監督待望論。「去年、平田2軍監督が2軍で優勝して、やめさせられた。1軍は歴史的なV逸をしたのに契約します、と。株主としては監督にふさわしいのは平田さんしかいないかなあと思う」
2012年(6月14日)和田豊監督1年目
「岡田監督や平田監督の時(の2軍)は選手に覇気があって若手も育った。いまは若手が育たない中で、外から呼んできた城島健司や小林宏之が活躍していない。なのに高給で、不良債権を抱えているようなもの。みんなも、そう思っているでしょ?」会場内からは拍手が起きた。不良債権。
2013年(6月14日)和田豊監督2年目
セ・リーグ首位の巨人を0.5ゲーム差で追走中。とくに質問なく終了。
2014年(6月14日)和田豊監督3年目
「采配が訳分かりませんがな」と和田豊監督批判が起きる。去年は和田さん何も言われなかったのに。
2015年(6月14日)和田豊監督4年目
来季の指揮官に岡田彰布を推す声が挙がる。別の株主からはドラフトで地元選手の指名を望む意見も。この人はどうしても森友哉を獲ってほしかったらしい。気持ちは分かりますがね。
関西人=阪神ファンではない。
星野仙一氏も言っていた。「株主さんは言えば『終わり』」のところがあり、そこが「かわいい」という。言えばスッキリ後には引かない、との解釈。関西人としては「言えば『終わり』」は分かるが、こと阪神ファンに至っては果たしてそうかなとも思う。お知らせのあとは「ちな虎」からのおねがいがあります!
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コメント
なるほど、第三次吉田政権までは株主総会でタイガースの話題はほぼ無かったんですね
2000年の総会で阪神側から言ってしまったことを受けて翌年から「言ってもええんや」という流れになってしまった可能性はありますね
まさに藪蛇。当時のタイガースには他につつくべき藪がおったやろ
2011年以降、2013年以外監督批判が目立ちますね
これはファンの監督不信が高まってきてしまっているのでしょうか・・・この状態が続くと後続の監督もとてもやりづらくなってしまうと思うのですが
森友哉、うーん、もし阪神に来てたとしても
今の西武のようにバッターセンスをちゃんと見てあげられたのか、
という疑問も。
「なんや、キャッチャー、アカンやんけ」でずっと冷や飯だったとすると、
野球界にとってもアカン損失になってたことだろういう気もしないでもなし…。
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